2014年4月9日水曜日

課題解決しやすくするために僕がしていること

こんにちは。
最近ナッツ&フルーツというそのまんますぎる名前のものを常食していますが、これと水だけで生きていける気がする今日この頃。


なんだか課題解決について教えてくれという相談がたまに、でも定期的にやってきます。
また、嬉しい話ですがよく視野が広いねーというフィードバックをいただきます。

そんな僕の課題解決のやり方について、よく他人とやり方が違うなーと感じるので、良し悪しはさておき自分なりのやり方をちょっと言語化してみたいと思います。


■自分なりの課題解決のやり方

1. 課題を設定する
2. MECE分解を試みる
3. システム思考で考える
4. 氷山モデルで深掘れているか検証してみる
5. とりあえず打ち手っぽいものを出す
6. インテグラル理論(quadrants)で抜け漏れを確認する

1. 課題設定

課題を設定しましょう!という時にはどの本を読んでも「問いの形で立てましょう」みたいなことが書いてあります。
課題は必ず「お金が無い」ではなく、「どうすればお金を手に入れることができるか?」と書きます。

なぜかというと、課題とは現状と理想状態のギャップだからです。
「お金が無い」はあくまで現状であって、課題ではないのです。

すごく当たり前の話ですが、課題解決をすればするほどこれ大事だなーと思います。
その理由は、大抵課題解決がうまくいかない時、しっくりこない時の原因は理想状態の設定が変なときだからです。

場数を踏んでいる人ほどこのあたり敏感で、すぐに「そもそもそれ理想なの?」的なことを突っ込んできます。

必ず理想をしっかりと描くこと、これがまず失敗しないコツかなと思います。

2. MECE分解を試みる

あえて試みるという表現にしたのは、MECEの生みの親である某コンサルティングファームで修行した訳でもない一大学生が「これがMECE分解だ!」とか言えないなーと思っているからです。

MECEはよく「漏れ無くダブリ無く」と説明されます。
課題の要因をきっちりと要素分解するための考え方です。
「なぜ?」という問いを繰り返し要因を深ぼる前に、まず要素を分解するのです。

「なぜ?」の繰り返しが縦に深ぼるイメージなら、MECEは横に広げるイメージ。糊を隅々まで伸ばすような。


MECE分解をする際に有効なのは、ありふれたフレームワークだと思っています。
よく使うのはこんなの。

  • 主体/客体
  • 人/モノ/カネ
  • 時間/空間
  • マーケティングの5Cとか5Pとか
  • A/Aの補集合

だいぶざっくりと書いてますが、(最後のとかほんとすみません)ぶっちゃけほぼこれだと思っております。

他にも厳密にはMECEではないですが、短期的/長期的とかもよく使うかも。

たまに凄く斬新でどっから考えつくのそれ?みたいな分解の仕方をしてくる人がいますが、8割ぐらいはMECEじゃないし、2割具合は天才の所業なのでどうやってるのかわかりません。

完璧なるMECEもよくわからないし、そんなにここに労力を割くのもなんかバカらしいなあと思ってしまうタチなので、僕はいつもなんとなくMECEを目指してさっさとここを通りすぎています。

3. システム思考で考えてみる

多分このあたりから他人とだいぶ違う気がします。
一般に課題解決というとMECE的な話をよくされますが、僕は必ずシステム思考を併用することにしています。

システム思考とは、簡単に言うと物事(この場合は課題)を有機的なシステムとして捉える思考法です。
一つ一つの変数(要素)がどのように他の変数と影響し合い、システムを形成しているかを捉えることで、部分と全体を統合し、課題を解決するレバレッジポイントを見つけ出すのに役立ちます。

システム思考は最初にそのシステムにおける変数を洗い出すのですが、この変数に相当するものが実は前のMECE分解で出てくるような要素だったりします。

そうして洗いだした変数がお互いにどのように関係しているかをループ図という図にします。


変数A →(+) 変数B →(-)変数C →(+)変数A


のようになります。+は変数Aが増えると変数Bが増える、-は変数Aが増えると変数Bが減る、の意味です。
便宜上こんな書き方をしてますが、実際に紙とかホワイトボードでやるときは色変えたり矢印記号変えたりしてわかりやすくした方が良いと思います。

例えば、


空腹度 →(+) 食欲 →(+)何か食べ物を買いたい欲 →(-)お金


みたいな。
普通はこれをつないでいくとループする仕組みになっています。

ループには自己強化ループとバランスループという2つのループがあるのですが、後者は更に広くシステムを捉えると自己強化ループに吸収されていきます。

システムがシステムとして成立するために、こうしたループによる自己強化が行われている、程度に理解しておけば良いと思います。


システム思考についての説明で少し脇道に反れましたが、要はシステム思考をMECEと併用すると良いよ、ということです。

なぜ良いかというと、MECE分解でそのまま要因を深ぼっていくのと比べ、1)時間軸的、動的な視点が生まれる 2)課題の打ち手を考えたときに、思わぬところに影響が出る可能性を事前に想定をできる という2つの利点があります。

MECEによるロジックツリーは完成すると美しく、網羅性があるのですが、課題というものをまるで1つの絵画のように扱っていて、なんだか静的なものとして見てしまうような気がします。

一方でシステム思考によるループ図は連続した時間軸が意識されますし、レバレッジポイントを見つけてここを変える!とした時に、そのループがどう変わっていくかを追っかけていけばどこにどんな影響が出るか想定することが出来ます。

そんなこんなで何度も言いますが、システム思考とMECEの併用、おすすめです。

4. 氷山モデルで深掘れているか検証する

これもこんな風に考えている人あんまり見たこと無い気がします。
氷山モデルというのもシステム思考における1つのフレームワークです。

簡単に言うと目の前に見えている課題は、氷山の一角にすぎず、水面下に更に根深い要因が隠されている、という話です。

氷山を下に進むに連れて、

1. 表面課題
2. 短期的要因
3. 繰り返し現れるパターン
4. 固定観念(メンタルモデル)

というように階層が深化していきます。

これをどう使うかというと、MECEとシステム思考で分析した課題要因が氷山モデルにおける深いレベルにまで到達しているかどうか?という検証用に使います。

氷山モデルで一番深いところにあるのはメンタルモデルですが、メンタルモデル自体も実はシステムです。

固定されちゃうほどの観念なわけですから、めちゃくちゃ強い自己強化フィードバックが働いているシステムなのです。

このシステムを、3の分析を終えた段階で見出すことができているかどうか。
できていない場合は深堀りが足りないと考えた方がまず安全です。

固定観念のレベルまで行かなくても解決できてしまうような課題もよくありますが、複雑で難易度の高い課題ほどより根本的なところに要因があるため、このレベルまで深掘れていないと本質的な課題解決に結びつきません。

5. とりあえず打ち手っぽいものを出す

ここまで来たらあとはとりあえず打ち手を出してみましょう。
課題解決なんて実は分析がきちんと出来てたら打ち手なんてほとんど明らかな場合が多いです。

そしてここまで来て前提をひっくり返すようなことを言いますが、大抵1の時点で打ち手的なものは頭にすでにあったりします。
2~4まではその打ち手が正しいんだよって人に言うためのロジックというか。

なんで打ち手が早い段階で思いつくのかはまた別に機会に書くとして、とにかくここで大事なのは課題解決のレバレッジポイントを見つけ、そこを突くこと。
レバレッジポイントとは、そこを突くと最小労力で最大成果が出るようなポイントのことです。

(力点)-(支点)--------------(作用点)みたいになってる「てこ」のイメージ笑

課題解決においてもかの有名な2:8(ニハチ)の法則が適用されるようで、2割の要因(=レバレッジポイント)が課題の8割に影響しているぐらいに考えておいた方が良いかと思います。

6. (おまけ)インテグラル理論による抜け漏れ確認

ここは完全に蛇足な気もしますが、僕は大抵最後にインテグラル理論における四象限(quadrants)を用いて抜け漏れがないかを確認しています。

四象限とは、内面―外面、個人―集合の二軸によるマトリクスのことです。
めっちゃシンプル!笑


こんな感じです。

左上は個人かつ内面、哲学や思想、美徳の世界
左下は集団かつ内面、間主観、文化、善悪の世界
右上は個人かつ外面、物理、自然科学、真理の世界
右下は集団かつ外面、システム、制度、同じく真理の世界


詳しく述べると長いので簡単にquadrantsについて説明すると、


  • そもそも我々が世界を認識するには上記4つの象限のうちどれかを通してしか認識することはできない。
  • 4つの視点それぞれが正しい。視点が違うから同じものを見ていても違った認識・解釈になりうるが、それは互いに誤ったものではなく、それぞれが正しいものとして受容すべき。


といったことになります。

インテグラル理論の提唱者であるウィルバーは、様々な課題に対し、この4つの視点全てを統合したアプローチをとることを推奨しています。

実際に使ってみるとこのフレームワークは非常に強力で、これを知っているだけで視野の広さが段違いになると思います。

「あれ、この議論なんか内面にばっか寄ってるなー」
とか、
「個人の中で話完結してるけど集団の話は加味しなくていいのだろうか」
といった具合に使えます。

このフレームワークを教えてくださった方は、「レポート書くのに使えるよ」ともおっしゃっていました。




以上、なんだか予想以上に長くなってしまいましたが、自分なりの課題解決のやリかたについて書いてみました。

課題解決のやり方って教科書的に語られるけど、実は課題解決を日常的にするような立場の人は自分流にアレンジしているような気がします。
ですが、あまりそうした自己流の方法を聞くことも機会が無いのがちょっと残念だな、と思っています。


色々と説明不十分な部分もあるかと思いますがお許しを。

ではでは!


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